「水中ロボコン」観戦レポート!水中ロボットコンベンション In JAMSTEC 2019~海と日本プロジェクト~

イベントレポート, マガジン, 水中ロボット

【お詫び( 2019年9月6日 金)】
本記事中にありました「イベント名」に間違いがございました。ご迷惑おかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。下記のとおり訂正いたしましたのでお知らせ致します。
誤:水中ロボットコンペディション → 正:水中ロボットコンベンション

自作の水中ロボットによるデモやプレゼンなどを通じた競技大会「水中ロボットコンベンション In JAMSTEC 2019~海と日本プロジェクト~」が2019年8月25日(日)に開催され、SUICHU GO!でも観戦しつつ取材をさせて頂きました。ほんの一部ですがその様子をご紹介したいと思います!

まずこちら、

どぉぉぉーーーん!

と目の前に広がったのは今回の競技会場、JAMSTEC(海洋研究開発機構)のプールです。
おそらく普段はなかなか入れないプールサイドに入れてとりあえず興奮気味で観戦がスタートしました。

公式ガイドブックもゲット!いえーいヽ(^。^)ノ地味に嬉しい。
大会概要、競技の採点方法、各チームについてなどが詳しく紹介されていました。

そして今回の競技部門は3つです。

1.一般フリー部門:
ルール制限なし、水中ロボット関連なら何でもOK。性能をアピールするデモンストレーションやプレゼンを通じて、一定の採点方法を元に総合点を競う。
2.ジュニア部門:
全国の中学、高校、高専のクラブ活動等のチームが参加し、配布された小型ROV(遠隔操作型の無人潜水機)のキットで創作したロボットでプールの底に設置された空き缶を回収したりカニの模型を撮影して点数を競う。
3.AIチャレンジ部門:
今年から新設された部門。こちらもデモンストレーションやプレゼンで性能などをアピールするとともに、制限時間内に水中に浮かべられた特定の風船(黄色や赤色)を割って点を稼ぎ、総合点で競う。







「ぜ、、ぜんぶ観たい・・!」

と思いつつ、自分みたいなド素人が無策でぜんぶくまなく観てやろうフフフ、なんてことはなかなか無理であることをまず最初に悟ります。笑
というのも、競技がはじまるとプールの各所でスピード感と熱気あふれるムードのなかデモがどんどん展開されていき、

プール全体を見渡せる位置にはMCの方もいて、

「会場右手からは★★チームの~」
「つづいて左手、こんどは北海道から●●チームのチャレンジです、」
「はい、制限時間の4分が経過しました~、つづいて右手から~」

といったように各競技が次々に展開されていました。
デモ&プレゼン→デモ&プレゼンが続く中でMCもどしどし鋭いツッコミをいれていて、
途中、「これはラップバトルか?」と思うほど。笑

自分もMCに合わせてカメラ片手にプールサイドを右へ左へ観戦、取材、観戦、
昼食からの観戦、観戦、取材観戦取材取材観戦観戦観戦ンンンぉぉぉぉぉぉおおおお!という感じでひたすらぐるぐる動き回っていました。

そんな中、奇跡的かつ比較的うまく撮影などできた水中ロボットを3つほどご紹介したいと思います。

まず一つ目はこちら、

マリンダヴィンチコプター

栃木から参戦していた小山高専水中ロボット制作チーム2019による
「マリンダヴィンチコプター」。
このロボットの上についているのは、はい、まさに














「足」





逆さになった足。

この足を水中でくるくる操作できて、あのシンクロの足技を何度でも楽しめるというロボット。
少ししか撮れませんでしたがこちらがデモの様子です。

ばっちりくるりんちょしている・・!!

会場にあった展示によると、
なんと約500年前にレオナルド・ダヴィンチが考案したヘリコプターのアイデアスケッチが
もとになっているのだとか。
そこに足をのっけて無限シンクロナイズドスイミングを楽しむという、
なんとも壮大でユニークな作品。
チームの皆さんがとても楽しそうにプレゼンしていたのも印象的でした。

「水空両用マルチコプタDTRU」(水空両用ドローン)

2つ目は徳島大学の三輪准教授研究チームから発表されていた「水空両用マルチコプタDTRU」。

いわゆる、

水空両用ドローン。

(水陸、ではない)

こちらの映像は少し長め(2分弱)ですが、
離陸し空中へ、水中へダイブし潜水、また空中へ、元の位置へ着陸というノーカットデモ映像です。

ご覧の通り、とにかくダイナミックな演出で迫力満点でした。

日本中2000箇所以上あるダムの壁面調査(高所・水中両方で行われている)での活用などを目指しているとのことでしたが、
個人的には、車輪をつけて陸にも対応し、海中から山道、山脈の山々をかきわけかきわけ空中をブンブン飛んでいくようなドローン界のトライアスロン競技が水陸空三用ドローンで実現出来たら面白いなぁぁなどなどと勝手な妄想をしながらデモを見ていたというのはど素人ぶりが露呈するのでここだけの秘密となります。

ちなみに水陸空で調べたらいちおうこういうのがあるらしい。
水陸空RC

バイオインスパイアードアクアロボット「MoonswimⅢ」

最後にご紹介するのはこちら、
信州大学の小林研究室から発表されていたくねくねと動く生き物のような水中ロボット、
その名も「MoonswimⅢ」。

まるで生物。もはや生物。

こちらのくねくねロボット、通常は水中ロボットの推進力となる「スクリュープロペラを使わない」という発想から今回の開発に至ったとのこと。スクリュープロペラは泥の巻上げや水中生物を傷つけてしまうという課題があり、それを回避するためだそうです。なるほど。

そして、

着想を得たのは、
「ゴカイのいぼ足」や「ウナギ」の推進力。

生物をよーーーく観察し、解析をして開発した特性のフィンを装着したことで、
全方位遊泳を見事に実現したそうです。

生きものの保全のために生きものの知恵をかりて実現した、
まさにバイオインスパイアードアクアロボット。
コンセプトや開発背景がカッコイイ作品でした。

「後ろに下がる時はマイケルジャクソンのムーンウォークそのものです」というプレゼンもあり、これまた発想がオシャレ。












via GIFMAGAZINE










・・・

以上、簡単でしたが今回出会った水中ロボットのほんの一部のご紹介でした。

この記事では書けませんでしたが、今大会には全国津々浦々から29チーム(29作品)が参加しており、どれも本当にユニークな作品ばかり。熱気吹き荒れるなか一つ一つ見惚れていたらあっっという間に閉会式に。
各部門全チームの紹介や受賞者の皆さんの紹介が大会公式WEBに掲載されているのでぜひぜひ併せてご覧ください!

AIチャレンジ部門の様子はpenguin flightsさんがわかりやすいPVを作成されていたのを発見したのでご紹介させて頂きます。
凄いですよね、黄色や赤の風船を感知するとそこへめがけてロボットが自動(自律)で動き、風船を割っていきます。水中ロボットの未来がとても楽しみになる一幕でした。

水中ロボコンの舞台裏

ここからは舞台裏を少しだけ。

当日の朝、会場のある追浜駅へ向かう電車にゆられながらTwitterのタイムラインを眺めていると、こんなつぶやきを発見しました。
本大会を共催している日本水中ロボネットさんのツイッターの中の人の、本番直前のつぶやきです。

公式ガイドブックの表紙のど真ん中にも、こんなメッセージ。

本イベントの目的は、自作の水中ロボットによる競技会やプレゼンテーションを通じて参加者の交流の輪を広げるとともに、工学的知識・技術を駆使して現実的な課題に挑む機会を提供することです。そして、社会に向けて水中ロボット研究の楽しさと重要性をアピールすることです。

「水中ロボットコンベンション In JAMSTEC 2019~海と日本プロジェクト~」公式ガイドブックより


電車にゆられてつぶやきを発見し、
会場に到着するやいなや入口でもらった公式ガイドブック表紙のメッセージを拝見し、

「単に勝った負けたの大会をやるつもりはねぇぇぇ!!!

という運営者の情熱に触れたような気がしてのっけから胸アツになったのを覚えています。
(あくまで筆者の勝手な妄想です)

競技終了後には、参加者と思われる方からこんなつぶやきも。

競技会場となったプールの外では、本番を控えるチームがところ狭しとそこら中にシートをひろげて、順番がくるぎりぎりまでロボットの調整を行っていました。

それでも、本番になってロボットが動かないというまさかのアクシデントに見舞われてしまうチームも。

「来年もきっとまたここに戻ってきます。」
「次はぜったい動かします。」

と宣言するチーム多数。

会場入口には願掛け?のようなものでしょうか、水中ロボコンあるあるなメッセージが書かれたたくさんのフォトフレームがズラリ。応援者・来場者の方からのプレゼントフラッグなどもあるそうです。

今回、 個人的には初めての観戦となりましたが、
国内の水中ロボコンの歴史は2006年に「第一回水中ロボットフェスティバル」が開催されてから今年で14年目になるそうです。
「 水中ロボコンはどんな経緯ではじまったんだろう?」と色々妄想しながら調べていたら、おそらく初回開催直後に発表されたと思われるレポートに遭遇しました。

このレポートによれば、当時既に各種ロボコンや鳥人間コンテストといった様々な機会があったなか、「水中ロボコン、いまさらやらなくていいんじゃないか?」という声もあったそうです。

そんな中、あえて水中ロボコンをやる意味を伝え、「水中」ならではの難しさを乗り越え、
試行錯誤を重ねて地道に機運をつくりながら2006年に誕生。それから14年後の実際の水中ロボコンを目の前で体感させて頂いたのも併せて、レポートを読んでいてSUICHU GO!としても改めてめちゃめちゃ気合が入りました。













「水中ロボコン」、最高説。













素敵な機会をご一緒させて頂いた皆さま、そしてこの機会をつくってくださったみなさま、心より有難うございました。




そして、

【朗報】2019年の水中ロボコンはまだまだあります!

10月に北九州、11月には沖縄で開催予定とのことです。
ご関心ある方はぜひぜひ参加してみてください。

水中ロボフェス2019 – in 北九州
:AUV(自律型無人潜水機)部門を開催!

沖縄海洋ロボットコンペティション
:プールじゃなくて海で開催!

沖縄、プールじゃなくて海でやるのか~~そうか~~~~(興味津々)