【潜入レポ!】海洋研究開発機構JAMSTECに潜入!横須賀本部見学ツアーレポート

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3/27(水)に、神奈川県横須賀市にある海洋研究開発機構JAMSTECの見学ツアーを開催しました。春休みということもあり、大人もこどもも含めたくさんの方にご参加いただきました。海洋研究開発機構(以下、JAMSTEC)って何?という方も多いと思いますので、見学ツアーのレポートをお届けします!

京急 追浜駅からバスで10分。JAMSTEC横須賀本部へGO!

今回のツアーは、SUICHU GO!とJAMSTECのコラボレーションということで、横須賀本部の見学をさせていただくことになりました。追浜駅に集合し、参加者全員バスで横須賀本部にGO!

バスに揺られること10分ほどでJAMSTECに到着。敷地面積は、およそ東京ドームの1.5倍だそう。

この日は、東北海洋生態系調査研究船の「新青丸」が着船していました。かっこいい!

いよいよ、JAMSTECの見学ツアースタート!

まずはじめに、JAMSTECとはどんなものかを説明してくれるビデオ上映や、ツアー案内を担当されれている広報の方もパンフレットを使いながら、わかりやすくJAMSTECについて教えてくれます。こども用と大人用のパンフレットがあって、親切!

JAMSTECは、もう40年以上、調査船や潜水船を使って、海洋、大陸棚、深海などの観測研究や、スーパーコンピュータで地球シミュレータなどの大型計算機を用いて、気候変動や地震などに関するシミュレーション研究などをしている海洋機構。難しく感じるかもしれませんが、海と地球の不思議を明らかにするためのさまざまな研究をおこなっているんです。

ビデオ上映が終わると、見学ツアーに出発です!

移動中には、実際に使われてた海中作業基地としての実験施設、減圧タンク装置である「シートピア」の展示も。古さはありつつも迫力満点!

「潜水調査艇設備場」へ向かっていましたが、到着した時間帯は作業中のため、「海洋科学技術館」へ先に行くことに。実際に、今、使われている施設というリアルな感じがしました。

「海洋科学技術館」で、見て・触って・学ぶ!

「海洋科学技術館」には、水深6,500mまで潜ることができる有人潜水調査船「しんかい6500」の実物大模型や、JAMSTECで所有している船舶の模型や貴重な深海生物標本などが展示されています。

「しんかい6500」を見上げるとこんな感じ。

「しんかい6500」の実物大模型はコックピットの側面が切り取られており、実際に中へ入ってパイロット気分を味わえます。実際に見ていただくとわかるのですが、潜水艇自体はかなり大きいのですが、コックピットには人間は3人しか乗れないそう。スイッチなどにも触れるので、操縦士になって海中探査している気分を味わえます。こどもたちも楽しそう!

「かいめい」で採取された巨大チムニー。チムニーとは、海底から噴出する熱水に含まれる金属などが析出・沈殿してできる構造物のこと。胴・鉛・亜鉛の硫化鉱物のほか、金・銀・レアメタルなどの成分を含んでいます。展示されているチムニーは、5つに分割して切断面を研磨したもの。触ってみると、研磨されているのでツルッとしているように見えますが、少しザラザラしているような感じ。

チムニーを顕微鏡でみることもできます。鉱物がどんな風にみえるでしょう?

生物展示室では、深海から採取してきた深海生物の標本が多数展示されています。見た目はグロテスクなのですが、人間が到達できない深い海の中にいると思うと、不思議とその生体に興味が湧いてきませんか?

水深200mより深い、暗い海のことを深海と呼びます。このかわった形をした深海生物は、まだ詳しく解明されていない深海の魅力のひとつ。SUICHU GO!も深海に注目しています。

現役の潜水調査艇に大接近!!

ついに、実際に使用されている「しんかい6500」がある「潜水調査艇設備場」を見学できました。かなり近くで案内していただけたので、設備の細部はもちろんのこと、作業している方の様子まで見ることができました!

この「しんかい6500」は、6,500mの深さまで潜ることができる有人潜水調査船。1989年に完成し、今も現役で活動しています。その活動範囲は日本近海だけでなく、太平洋やインド洋、遠くは大西洋にまで及び、これまでに延べ1,529回の潜航をしたのだとか。大深度まで潜ることのできる現在運航中の有人潜水調査船は、世界に7隻しかないそうです。

潜水時間は8時間。水深6,500m付近まで潜るにのおよそ2時間、帰るのにも同じ時間がかかるので、実際には深海で調査できる時間は4時間ほどしかありません。これだけ科学が発達した現代でも、人間が到達できない深海には未知の世界が広がっています。

基本的には、浮くように設計されているという「しんかい6500」には、このような浮力材も使われています。持ってみると、意外と重いのが不思議(笑)

深海巡航探査機「うらしま」は、AUVというケーブルで繋がれていない自律型の無人探査機。機体内蔵のコンピュータにシナリオを設定すると、そのシナリオに従って、自力で航行することができます。船舶よりも海底に近いところから探査を行うため、非常に高い解像度の海底地形や海底下構造のデータを取得できるそう。

高圧実験水槽棟で、水圧の実験してみた!

最後に見学するのは「高圧実験水槽棟」。ここでは、ブタメンのカップを使った実験をしました。

機械を使って、ブタメンのカップに水深1000mの水圧をかけていきます。機械は特別なガラスになっているので、水圧をかける前のカップは膨張して実物よりも大きく見えますが同じ大きさです。

水圧をかけていくと、カップはみるみる縮んでいきます!水深による水圧は、とても強力なんだなと感じます。縮んだカップは、地上に戻っても、元の大きさには戻りません。

こどもたちは興味津々で実験を見つめます。

所要時間1時間半の中に、コンテンツが盛りだくさんのJAMSTECツアーでした。ツアーの最後には、JAMSTECエントランスにて記念撮影。みんなで「SUICHU GO!」ポーズ。

おまけ

帰りの追浜駅前では、先ほどの実験に使った小さくなったブタメンのカップを勝ち取るじゃんけん大会がおこなわれました。こどもたちと一緒に、大人も本気で参加。じゃんけんに勝ったのは…?(笑)

以上、見学ツアーのレポートでした。
JAMSTECさんのウェブページではこのような見学ツアーを定期的に開催しています。→ こちら
ご関心ある皆さんは、ぜひぜひ参加してみてください!

SUICHU GO!でも、ぜひまたJAMSTECさんに訪問できたらなと思っています。引き続きお楽しみに!

文:横尾有紀
撮影:ミタニユウスケ

*参考:海洋研究開発機構JAMSTECへいこう!~横須賀本部見学ツアー〜